このインタビューは『ゲーム・オブ・スローンズ Beyond the Wall』に関する一連の開発者ディスカッションの一部です。本作は年内にiOS/Androidでリリース予定のコレクタブルRPGストラテジーゲームです。

これまでの開発者ディスカッションを見逃した方はこちらから読めます。

今週は引き続き本作のクリエイティブディレクターであるジャスティン・ジョーンズ氏にゲームのオリジナルストーリーについて詳しくお話を伺います。

『ゲーム・オブ・スローンズ Beyond the Wall』の物語がどのように始まるか教えてください。

Justin: 物語は冥夜の守人の総帥であるブリンデン・リヴァーズ(またの名を血斑鴉)が失踪した直後から始まります。捜索隊を率いたオリジナルキャラクターの哨士長のアルヴァー・スパイアとドラモン・ブラックウッドが血斑鴉の痕跡を追って幽霊の森に向かいます。彼らの旅はストーリーモードの基盤となっています。

ネタバレしない程度に、物語がプレイヤーをどこに連れ出すか教えていただけますか?

Justin:個人的に、北と壁の向こう側は既知の世界で最も魅力的なところのひとつだと思います。『Game of Thrones』の世界で魔法が依然存在するかもしれない数少ない場所です。これは物語で必ず探求する部分です。血斑鴉の痕跡を追うことは典型的なミステリー推理ですが、キャラクターストーリーでもあります。

プレイヤーは幽霊の森、凍結海岸、霜の牙、最初の人々の拳やドラマに登場したその他の象徴的な場所を訪れることになります。また、頭蓋骨の橋のようなあまり知られていない場所も探索することになるでしょう。

ゲームのストーリーモードは全体のゲーム体験の中にどのように組み込まれていますか?

Justin:おそらくほとんどのプレイヤーにとって ストーリーモードはゲームの全体的な進行状況を測る物差しになるでしょう。人は本能的にストーリーの達成度からゲーム世界における自分の位置を把握しますから。七章に及ぶ三幕構成のストーリーをクリアするのは時間が掛かると思うので、ストーリービートもそれに応じて調整することになります。

オリジナルキャラクターについて教えてください。

Justin:アルヴァは冥夜の守人の哨士長で、ストーリーは主に彼視点で進みます。彼は真面目で頼りがいのあるリーダーですが、ずっと謎に包まれた壁の向こう側に魅了されているところがありました。ドラモンは皮肉っぽい相棒ですが、理性的な一面を見せる時もあります。彼は数十年前に血斑鴉と並んで戦った過去があり、この経験がかつての指揮官である血斑鴉を捜索する際、彼にユニークな視点を与えています。

冥夜の守人たちは道中に出会う人々の難解または理性的な声を耳にすることになりますが、血斑鴉の謎についてはプレイヤー自身に紐解いてもらいましょう。

どうやってゲームに『Game of Throne』らしさを出しましたか?

Justin:『Game of Thrones』の世界には正義、権力、信仰、狡猾、忠誠、暴力、血統といった強いテーマがあります。しかし、紋章を持たず、王冠を戴かない冥夜の守人の物語でそのすべてを表現することは困難です。そこで、私達は冥夜の守人の誓約、狼潜り、血斑鴉、古代の魔法といった北のテーマとその歴史について掘り下げることにしました。ほとんどの冥夜の守人キャラクターは似たり寄ったりなので、ストーリーとコレクションシステムの部分で七王国独自のアイデンティティを強調し、同時に冥夜の守人本来の風格も残しました。

創作過程はどんな感じでしたか?

Justin:創作過程は自然で自由な発想と伝統的な脚本テクニック――例えばストーリー構成に順序付けをしたり、インデックスカードを使ってキャラクタービートを配列したりといったことの融合でした。会話を書く時はできるだけキャラクターの心に深く入り込み、彼らの視点からストーリービートを感じるよう心掛けました。多くのプロットの起点は強い視覚または感情的出来事から逆方向に作業して設定したものです。

それから、私はいつも音楽を活用しています。よく「これだ!」という感覚を掴むために同じミニマル・トラックを何時間もリピートして聴いています。書く作業は全体としては科学よりも芸術に近いですが、結局のところは両者の結合に違いありません。

新しい架空の世界を作り出す技術もまた、書く作業でとても重要な要素の一つですが、Game of Thronesはこのような優れた知識は十分にあり、今回の場合、私達は北と壁の向こうにある地域は何が特別なのかを捉えることに焦点をおきました。私はプレゼンテーションソフトを使ってこの世界の重要な場所、そしてそこで起こる物語を書き出しました。これは、まず自分に向けて起こっている事のすべてを話し、それから幾多もの手がかりをプレイヤーが経験するひとつのストーリーに形作っていくのに役立ちます。

脚本が完成した後はどうでしたか?

Justin:脚本が完成してHBOが監修をした後、アートディレクターと私とプロダクションチームで数日掛けて脚本をゲームシーンに分解しました。一部はゲーム内アニメーションになり、その他は伝統的な会話に落とし込みました。シーンとゲームミッションを並行して書いたので、戦闘の前後やプレイヤーのライフサイクルに上手く合わせることが次の課題でした。

この部分のプランが完成した後は、シーンの中のキャラクターの立ち位置と感情の動きについて繰り返し調整しました。もちろん、これらの制作には才能溢れる美術スタッフの助力が欠かせませんでした。

この物語はテレビシリーズと直接的な関連はありますか?

Justin:関係はあるだけではありません、意図的にそうしました。私達は初めからこのゲームとその物語をテレビシリーズの前編ではなく、血斑鴉のオリジナルストーリーにしたいと望んでいました。とはいえ、テレビシリーズのネタやオマージュは多くあります。例えば、物語の舞台はテレビシリーズの数十年前なので、お馴染みのキャラクターの若い頃を目にするかと思いますが、それがゲームストーリーに関連することはありません。

モバイルゲーム体験の一部としてストーリーテリングをする際に感じた課題はありますか?

Justin:私はモバイルゲームを長編ストーリーテリングの新たな最前線だと考えています。クリエイターやストーリーテラーにとっては、モバイルプラットフォームの現在のあり方や娯楽の消費習慣――無音声、アプリの切り替え、集中持続時間、小さな画面とテキストなどとの厳しい戦いになります。それでも、モバイルプラットフォームの普及化には惹きつけられるものがあります。私はこれを使いこなせるように努力し続けたいと思っています。